JAみはら10月号307
6/16

まで健全な状態で残っていることが大切です。通常、自然落葉は10月下旬から11月にかけて起こります。干ばつや病気などで根が弱っていると早期落葉の要因になり、反対にチッソが効くと遅くまで緑の残った葉で落葉しません。いずれも花芽の充実が不十分で、来年の作柄に影響します。●改植を品質の悪い樹、樹勢の落ちた樹、収量の上がらない老木などは改植に取り組んでください。モモやイチジクを改植する場合は、連作障害(いや地現象)が起こりますので新しい場所に植えるか、どうしても元あった場所に植える場合は、古株の根を除きできるだけ新しい土を植え穴に入れてください。それからどの品種も、適地の条件として、水はけのよい場所があげられます。さらにかん水用の水の確保ができるかどうかもポイントです。【植付けの準備】11月、12月は落葉果樹苗木の植付け時期です。(いちじくは3月ころ)そのため、1カ月前には植穴の準備をします。【土づくり】安定的に高品質果実を生産するためには、細根を多く確保するとともに、根が十分活動できる土壌環境を整えることが大切です。【土壌改良】土壌が酸性になると根の肥料吸収力が低下します。酸性土壌は石灰分で中和します。ただし、石灰資材をまいてそのままにしておいたり、肥料や堆肥と一緒に施用するのは禁物です。石灰資材が空気や水に触れると硬くなりセメントのように固まってしまいます。石灰資材は施用したら土とよく混ぜることです。2週間ぐらいすると土壌の粒子になじみます。またチッソ分の多い肥料と一緒に施すと、アンモニアガスが発生し、ガス障害を受けることがあります。石灰資材の施用は時期をずらした堆肥の施用とのセットが効果的です。【有機物の投入】土壌中の有機物は、微生物の働きによって10a当たり年間約1tも分解されています。有機物が少なくなると、土の保水性や通気性、保肥力が弱くなり、気象変動、肥料の量の変化、土壌水分量などに対して敏感に反応してしまい、生育のバランスが崩れやすくなります。基準量は10a当り1tですが、近年の異常気象に対応した強い土壌を作るために、良く完熟した堆肥を2t以上投入しましょう。【密植園の間伐】樹が込み合っていると、作業性が悪く、品質も向上せず、また、風通しが悪いので病害虫の発生が多くなるという弊害がでます。間伐が必要です。落葉してからだと、どこが混んでいたか分からなくなります。葉があるうちに実施してください。●元肥の施用品目ごとの施用時期・量は表1の通りです。来年の生育や開花・結実に影響する基本の肥料です。施肥基準(成木1本あたり)を参考にして、施用してください。●ブドウ【ブドウトラカミキリの防除】通常の落葉が始まる頃にモスピラン顆粒水溶剤2000倍を散布します。●イチジク【収穫時の注意】10月に入ると気温が下がり、小玉果、着色不良果、食味不良果が増えます。食味不足と感じたら、早めに収穫を切り上げます。ただし、樹上に果実を残したままにすると、病害虫の発生源となりますので、全てもぎ取り園外へ持ち出しましょう。【株枯病対策】新梢の充実が悪く、葉が黄変したり、早期落葉が見られた樹では、株枯病に罹病している可能性があります。株枯病菌は、胞子が風雨で飛散し、その周辺の園地まで被害が拡大します。キクイムシが媒介し、いったん土壌に入ると、根絶は難しくなります。株枯の症状が見えたり、キクイムシの侵入痕が認められたら、直ちに伐採して、土壌に株枯病菌が侵入しないようにしましょう。●カ キ【収 穫】カキは、着色しながらでも肥大します。カキはヘタが大切です。幼果の時ヘタがないと大きくなりません。収穫時に「ヘタすき」という障害果ができること表1 施肥と土づくり*施肥量等は成木1樹当りの量品  種成木10a当り植付け本数施肥(広島フルーツ元気866)樹皮堆肥(豊穣)マリンカル(苦土石灰)ニューエコマグ時 期施肥量時 期施肥量時 期施肥量時 期施肥量モ  モ25本10/上~中3.0kg10~11月40kg以上10~11月4.0kgカ キ(富  有)25本10/下3.5kg40kg以上4.0kgカ キ(西  条)20本10/中4.0kg50kg以上5.0kgイチジク27本10/下3.5kg35kg以上4.0kg客土(マサ土を2~3cm)ブドウ(ピオーネ)長梢12本10/上~中5.0kg80kg以上8.5kg10月3.0kg短梢27本10/上~中2.4kg40kg以上4.0kg10月1.4kgブドウ(デラウェア)長梢12本10/上~中10.0kg80kg以上8.5kg10月3.0kgブドウ(キャンベル)長梢15本10/上~中8.0kg65kg以上7.0kg10月1.0kgブドウ(ニューベリーA)短梢30本10/上~中4.0kg35kg以上3.5kg10月0.7kg樹皮たい肥は10a当り1トン以上施肥を目標に設定。注)マリンカル(苦土石灰)は他の肥料の施肥7~10日前に施し、土壌とよく混和する。【全体運】楽しい出来事に縁があります。お祭りやイベントに参加し、にぎやかに過ごして。新しい才能を発見できることも【健康運】体力アップを図る好機。スポーツが吉【幸運の食べ物】ギンナン今月の運勢 双子座5/21~6/216JAみはら 2018.10

元のページ  ../index.html#6

このブックを見る