JAみはら12月号309
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12月担当石川 祐介(広果連)柑 橘早生温州の収穫も終盤を迎えています。商品性の高い果実を出荷するために丁寧な収穫・選別を行いましょう。今月は温州みかんの収穫や出荷、ネーブルなどの中晩柑の収穫予借や越冬中晩柑の防寒対策が中心となります。作業は計画的に進めましょう。●温州みかん収穫前に全園地に腐敗防止剤を散布します。収穫期に高温多雨条件になると浮皮果の発生や品質の低下を招きます。また収穫が遅れると隔年結果の要因となりますので適期収穫に努めましょう。収穫時には腐敗果が混入しないように注意し、ハサミ傷に気を付けて果実を丁寧に扱いましょう。【収穫および選別】いしじ温州完熟採収が基本です。ヘタの色が緑色から黄緑色に変わる頃が食べごろとなり美味しくなります。気温が高く、降水量が多い場合、着色が早い果実は、クラッキング(過熟によるヘタの周辺のひび割れ)に注意し、発生が見られた場合は収穫を急いでください。果実品質を高めるため、収穫後は果皮がしんなりするまで1週間程度自然予措を行います。普通温州樹の中でも結果部位により熟度が異なるため分割での収穫が基本です。浮皮や果皮障害が進む前に収穫を行い、予借後に貯蔵管理します。【樹勢回復対策】着果負担や夏季の高温乾燥・フィガロン散布により樹勢が低下している樹では、早期に樹勢を回復させることが重要ポイントとなります。収穫が終了した樹は尿素200倍を7~10日間隔で3回程度散布しましょう。【越冬病害虫防除】カイガラムシ類は幼虫や成虫が樹の幹や枝の割れ目や隙間、葉と葉の重なった部分で越冬し、ハダニは卵・幼虫・成虫が越冬します。これらの害虫は冬季に防除し、発生密度を低下させることで、翌年の発生を抑えることができます。発生が確認された園地は、収穫終了後、95%マシン油乳剤30倍を散布します。散布直後の降雨は効果が低下するため、晴天が2~3日続くと予想される日に行います。また散布の際は、樹の内部の枝にもたっぷりかかるよう丁寧に散布してください。なお、散布の際は、樹勢回復を目的に尿素200倍を混用しましょう。●中晩柑類【収 穫】品質内容を高めるために樹上で成熟させて収穫することが基本となります。しかし、園地の条件によって成熟する時期に幅があり、気象状況により収穫する時期が変わることがあるので注意してください。はるみは果皮が弱いため、霜により果皮障害が発生しやすい品種です。収穫には充分に注意が必要となります。【果実の仕分け】収穫した後は、適正に貯蔵管理を行うために、果実の大きさや着色の良い果実と悪い果実と仕分けてください。【貯蔵管理】貯蔵は果皮の紅を濃くし、品質を良くすることで価値の高い商品に仕上げるために行います。品種によって貯蔵する温度や湿度が異なります。また各生産者で貯蔵庫の条件が違うので、それを踏まえた上での管理となります。貯蔵庫内への入庫量は、1坪当たり800~1,000㎏程度とし、棚で貯蔵する場合は、果実2~3個重ねまでとします。入庫する量が多すぎると、過湿や酸欠になりやすく、入庫する量が少なすぎると貯蔵庫内が乾燥しやすくなります。コンテナで貯蔵する場合は、入れ目は7分目程度とし、貯蔵庫内の空気が循環するようにコンテナとコンテナの間隔は10~15㎝程度空け、コンテナと地面の間に枕木を置き通気性を良くします。貯蔵庫が乾燥しすぎる場合は、通路に打ち水や濡れムシロを敷き湿度を保ちます。貯蔵庫の換気は、1日1回を基本に貯蔵庫の中と外の温度が近い時間帯に行います。また、貯蔵中は腐敗果の点検を行い腐敗果の発生を最小限に抑えてください。【病害虫防除】腐敗防止剤の散布貯蔵中の腐敗を防ぐため腐敗防止剤を必ず散布してください。また、ハダニの防除薬剤も混用して散布します。ハダニが果実に付いた状態で収穫すると、貯蔵中にハダニの被害を受けて、果皮の紅が薄くなり白けた果皮となり、商品性が低下します。【マデックの散布】樹になるべく遅くまで成らせておくことで食味が向上しますが、品種によってヘタ緑色ヘタ黄緑色クラッキングが進むとその部分の果皮が傷んで腐敗の原因となります。ナシマルイガラムシの果実被害【全体運】興味のあることに思い切ってトライしてみたい時期。攻めの姿勢が幸運のポイントに。遠出のドライブも刺激的【健康運】不規則な生活リズムを正すと好転の兆し【幸運の食べ物】エリンギ今月の運勢 牡羊座3/21~4/198JAみはら 2018.12

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