JAみはら10月号331
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【土づくり】毎年高品質果実を生産するためには、樹が細根を多く発生し、養水分を安定的に吸収できるような土壌環境にすることが大切です。【土壌改良】土壌が酸性になると根の肥料吸収力が低下します。酸性土壌は石灰分で中和します。石灰質資材を撒き、その後土壌と混和します。特に、イチジクは中性からアルカリ性土壌を好むため必須となります。【有機物の投入】土壌中の有機物は、微生物の働きによって10a当たり年間約1tも分解されています。有機物が少なくなると、土の保水性や通気性、保肥力が弱くなり、気象変動、施肥量の変化、土壌水分量などに対して敏感に反応してしまい、生育のバランスが崩れやすくなります。基準量は10a当り1tですが、近年の異常気象に対応した強い土壌を作るために、良く完熟した堆肥を2t以上投入しましょう。なお、未熟な堆肥の投入は、白紋羽病の発生要因となりますので絶対に投入しないようにしましょう。【密植園の間伐】密植で樹が込み合っていると、作業性が悪く、品質の低下や病害虫の発生を助長するなどの弊害がでます。密植園は間伐を実施しましょう。●元肥の施用品目ごとの施用時期・量は表1の通りです。来年の生育や開花・結実に影響する基本の肥料です。施肥基準(成木一本あたり)を参考にして、施用してください。●ブドウ【ブドウトラカミキリの防除】通常の落葉が始まる頃にモスピラン顆粒水溶剤2,000倍を散布します。●イチジク【収穫時の注意】10月に入ると気温の低下とともに、小玉果、着色不良果、食味不良果が多くなります。食味不足と感じたら、早めに収穫を切り上げます。樹上に残った果実は、病害虫の発生源となりますので、全てもぎ取り園外へ持ち出しましょう。【株枯病対策】新梢の充実が悪く、葉の黄変や早期落葉が見られた樹では、株枯病に罹病している可能性があります。株枯病菌は、アイノキクイムシが媒介し、いったん土壌に入ると根絶は難しくなります。株枯の症状や、アイノキクイムシの侵入痕が認められたら、直ちに伐採して、土壌に株枯病菌が侵入しないようにしましょう。●カ キ【収 穫】カキは着色しながらでも肥大します。カキはヘタが大切です。幼果の時ヘタがないと大きくなりません。収穫時に「ヘタすき」という障害果ができることがありますが、これは果実の生育がヘタの大きさ以上に進んだ場合に起こります。収穫時期の目安は、「富有」では、果実全体で判断し、「西条」はヘタ部と果頂部で判断します。カキは、緑色から黄色そして朱色に変化していきます。全体が朱色になると成熟期です。【カメムシの防除】スタークル顆粒水溶剤2,000倍(収穫前日まで3回以内)で防除します。●モ モ【コスカシバの予防】成虫はハチに似ており、幼虫は樹の茎部に侵入しその内部を食害し、枯死させます。被害を受けた部分にはヤニや糞が見られます。休眠期(落葉後~発芽前)にラビキラー乳剤200倍を太枝や幹に散布します。表1 施肥(元肥)と土づくり *施肥量等は成木1樹当りの量品  種成木10a当り植付け本数(目安)施肥(広島フルーツ元気866)堆  肥マリンカル(苦土石灰)ニューエコマグ時 期施肥量時 期施肥量時 期施肥量時 期施肥量モ  モ25本10/上~中3.0kg10~11月2袋以上10~11月4.0kgカ キ(富  有)25本10/下3.5kg2袋以上4.0kgカ キ(西  条)20本10/中4.0kg2袋以上5.0kgイチジク27本10/下3.5kg2袋以上4.0kg客土(マサ土を2~3cm)ブドウ(ピオーネ)長梢12本10/上~中5.0kg4袋以上8.5kg10月3.0kg短梢27本2.4kg2袋以上4.0kg1.4kgブドウ(デラウェア)長梢12本10.0㎏4袋以上8.5kg3.0kgブドウ(キャンベル)長梢15本8.0kg4袋以上7.0kg1.0kgブドウ(ニューベリーA)短梢30本4.0kg4袋以上3.5kg0.7kgキウイフルーツ20本10/中4.0kg1~2月3袋以上1~2月5.0kg客土(マサ土を2~3cm)堆肥は10a当り1トン以上施肥を目標に設定。 注)マリンカル(苦土石灰)は他の肥料の施肥7~10日前に施し、土壌とよく混和する。ニューエコマグ…天然水マグに天然硫マグを混合した肥料。ケイ酸、鉄、マンガン、ホウ素含有。根に寄生した白紋羽病菌。寄生すると根が腐り、樹勢低下の原因や、ひどい場合は枯死に至ります。シーズン後半の着色不良果で食味が悪い。【全体運】コミュニケーションの取りやすい環境づくりが大切です。プチ模様替えをするのもお勧め。下旬から好調運へ【健康運】けがややけどに気を付け、慎重に行動を【幸運の食べ物】サトイモ今月の運勢 蟹座6/22~7/225JAみはら 2020.10

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