JAみはら12月号333
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苗木の防寒対策(パスライト)苗木は、低温や寒風により樹体の枯れこみや落葉などの被害が発生しやすいため、防寒対策を実施しましょう。●園内清掃落葉や残果などを園内に放置すると、翌年の病害虫の発生源となります。落葉、残果、せん定枝などは、集めて園外に持ち出してください。●密植園の間伐隣の樹と横に伸びた枝が触れ合う前に間伐します。密植だと作業性が悪く、また徒長枝の発生を助長し、風通しが悪くなり病害虫の発生につながります。せん定の前に、密植園は間伐を行いましょう。●棚の点検・補修棚の老朽化した園地が多くみられます。支柱や針金などの傷みが無いか、アンカーが浮いていないか確認し、問題のある部分は補修しましょう。●せん定落葉果樹は、落葉後20日程度経過し、樹液流動が停止してから翌春の樹液流動が始まる前までにせん定を行います。せん定を早く開始すると、貯蔵養分を枝とともに切り捨てることになります。特に、秋の気温が高く落葉時期が遅れる場合は樹液流動停止期をしっかりと確認し、せん定を開始してください。反対にせん定時期が遅れても切り口から樹液が流出して、切り口の癒合が悪くなったり発芽が遅れたりしますので、通常2月頃までが適期となります。ただし、ウメは自発休眠が12月に終わると、根が動き出しますので12月のうちにせん定を終了させることが樹にとって良いようです。【せん定を行うにあたり】(1)結果習性の確認果樹の結果習性とは、どの枝に果実をつけるかということです。新梢に果実をつけるものと、前年枝につけるものと分けられます。栽培されている果樹の結果習性を理解し、せん定を進めましょう。先端を切除すると着果しない種類もあります。①結果枝タイプ今年伸びた枝に花芽をつけ、翌年開花結実する枝で、モモ、ナシ、ウメ、リンゴなどがあります。②結果母枝タイプ今年伸びた枝の葉の付け根から翌年に伸びる枝に開花結実する枝で、ブドウ、カキ、クリ、イチジク、キウイフルーツなどがあります。※花芽とは、生長して花になり後に実となる芽のことです。生長して葉や枝になる芽は葉芽と呼びます。(モモ・ウメ)花芽と葉芽が別々に形成します。結果枝の先端は葉芽で、その下に葉芽や花芽が単芽、副芽で存在します。(カキ)今年発生し伸びた枝の先端と、それに続く数芽が花芽になります。来春その先の数芽から発生した新梢の基部から3~5の蕾が着きます。せん定の時、枝の半分を切るような切り方をすると、花芽がなくなり来年蕾を付ける新梢が発生しません。(イチジク)春に発芽伸長する新梢の各葉腋に基部から先端に向かって順次花芽分化(着果)します。頂芽が優勢となる性質があり、頂芽は腋芽に比べて大きく、発芽が1週間ほど早く、果実の熟期も1番早くなります。勢いの弱い頂芽は残しておく方が良いです。(キウイフルーツ)今年、実をつけた枝から出る新梢には花芽を持ちません。結果母枝にする枝は、基芽から7~8先の芽まで残します。(2)樹を構成する枝・主 幹地際の土台となっている幹部分。・主 枝主幹から発生する幹についで太い骨組となる枝で、2~3本とする。・亜主枝主枝から分岐した枝。主枝と並んで骨組になる枝で、1つの主枝に2~3本とする。・側 枝主枝や亜主枝から発生し結果母枝や結果枝をつける。側枝は3年くらいを目途に更新する。(3)枝の切り方枝の切り方には、切り返しせん定と間引きせん定があります。切り返しは、今年伸びた枝を途中で切る方法で、先端部を強く伸ばして骨格となる枝(主枝や亜主枝)を育てる(樹の拡大を図る)場合、結果枝や側枝の先端を弱らせない場合、先端が垂れた枝の勢力を回復したい場合などに行います。間引きは不必要な枝を除くときの切り方で、せん除したい枝の発生位置(分岐部分)まで戻って切り、新たに枝が出ないようにします。込み合った枝や重なり合った枝を除く場合や、残したい枝と太さが競合する枝を除く場合などに行います。(4)せん定の順序①主枝、亜主枝、側枝の順に処理します。②徒長枝(発育枝)の処理  主枝背面や亜主枝の分岐点近くに発生した強勢な枝は除去します。ウメの徒長枝は、太枝の側面部に発生した枝はすべて除去せず、そのまま残し、翌年短果枝を発生させます。③主枝、亜主枝の先端は1本にして切り返します。④側枝は亜主枝より強くしないよう整理しましょう。亜主枝の背面から上向枝として伸び側枝が拡大して、亜主枝と担当髙本 大輔(広果連)落葉果樹図 樹を構成する枝パスライトで苗木の防寒対策亜主枝主枝樹冠側枝主幹根群根域【全体運】昔話に花が咲くのは吉兆です。歴史の本を読むのもお勧め。新年への準備は早めにスタート。買い物は品質重視で【健康運】疲れは明日に残さないよう、小まめにケアを【幸運の食べ物】ミカン今月の運勢 牡牛座4/20~5/205JAみはら 2020.12

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