JAみはら8月号341
5/18

8月の管理で重要なのは、水の管理と病害虫です。稲が穂や籾をつける時期で、本田での仕上げの段階に入ってきますので、適切な栽培管理を行い収量の確保と品質の向上を目指しましょう。●水管理幼穂形成期(出穂30日前〜)から出穂期、開花期は、水稲が最も「水」を必要とする時期です。この時期に水分が不足すると、穂が小さくなったり、未熟粒が増加するなどの影響が出ます。しかし、水分を十分に供給できるようであれば、必ずしも常時潅水にしておく必要はありません。むしろ間断かんがいを行うことで、根への酸素供給を図り、少しでも根の老化を防ぐようにしましょう。なお、極端な乾燥は、収量、品質ともに大きく影響します。特に、穂ばらみ期〜穂ぞろい期の間は、土壌が湿っている状態を保つようにしましょう。この時期の水分ストレスは登熟への影響が大きく、収量のみならず玄米の光沢不良や未熟粒の増加などの玄米品質の低下に繋がります。また、台風の接近が予想される場合は、通過前後にはしっかりと水を溜めて、風による倒伏や脱水の被害を軽減しましょう。●病害虫について出穂前後に病害虫の被害を受けると、米の品質・収量に大きく影響するため、出穂前後の病害虫防除は非常に重要です。主要な病害虫の基本的な防除は、穂ばらみ期(穂が出る直前)と穂ぞろい期(全体の8~9割の穂がのぞいた頃)となります。使用薬剤については、稲作ごよみを参考にしてください。【カメムシ】早期コシヒカリでは、カメムシによる斑点米が等級落ちの大きな要因の一つとなっています。カメムシは、水稲栽培における吸汁性病害虫の代表であり、穂にダメージを与え、被害を与えるカメムシは「斑点米カメムシ」と呼ばれます。カメムシ類は、稲が穂を出し始める頃水田に飛び込み、米粒の汁を吸うと吸われた部分が黒く変色します。田んぼの中に雑草が多いとカメムシが発生しやすい為、カメムシ防除のための除草を行い、カメムシが水田に飛び込む時期を狙って殺虫剤の散布を行いましょう。圃場周辺の草刈りは、カメムシの耕種的防除として有効です。出穂間近の草刈りは、カメムシを圃場に追い込むことになるので、出穂2週間までには終了しておきましょう。【穂いもち】穂いもちは8月〜10月に発生し穂首部に褐色の病斑ができます。穂首から先の穂に栄養が届かなくなり、品質が低下します。また、養分供給が阻害されたことにより、稔実不良や着色米の発生、籾の入らない白穂が発生します。穂いもちの第一次伝染源は葉いもちです。葉いもち病斑の上で作られた胞子が空気中に飛散し、穂に付着して感染を引き起こします。出穂直後が最も感染しやすいのでそのタイミングで感染を防ぎましょう。穂ばらみ末期から穂ぞろい期が農薬散布を行う適切な時期です。●生育と作業の目安【早生品種(あきたこまち、コシヒカリ、キヌヒカリ等)】7月下旬から随時出穂期を迎えます。近年、早生品種の品質低下が多くなっています。水管理、出穂前後2回の病害虫防除を徹底しましょう。【中生種(恋の予感・あきろまん・ヒノヒカリ等)】7月下旬から8月上旬に幼穂形成期、8月中旬に出穂期を迎えます。ただし、田植時期が6月中旬以降では9月以降になる場合もあります。慣行型の施肥を行っている場合は、穂肥の時期(7月下旬~8月初め)となり、水管理、病害虫防除とも重要になりますので、作業が遅れないようにしましょう。「恋の予感」は、止葉が長くなる品種です。止葉は直立に近い状態となって光合成が活発に行われるため、籾の充実が良くなります。季節予報広島地方気象台季節予報より8月 平年と同様に晴れの日が多いでしょう。平均気温は、平年並または高い確率ともに40%です。9月 天気は数日の周期で変わりますが、平年に比べ晴れの日が多いでしょう。気温は、平年並または高い確率ともに40%です。担当石川 祐介(広果連)柑 橘気象庁は気温や降水量などを評価する基準となる「平年値」について、2021年5月19日から1991~2020年の30年間の平均値を使った「新平年値」を発表しました。今までは、1981~2010年の30年間の平均値が使われていましたが、10年ごとの更新時期にあたるため、新しい平年値を作成しています。新平年値では、現在の平年値と比べ、担当中川 安奈水 稲8月【全体運】ピンチに助けてくれる人が現れて、事なきを得ます。「まずい」と思ったときは早めに相談をしましょう【健康運】鍛える気持ちでスポーツにトライ!【幸運の食べ物】キュウリ今月の運勢 牡牛座4/20~5/205JAみはら 2021.8

元のページ  ../index.html#5

このブックを見る