JAみはら10月号343
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●良質米の生産は土づくりから「稲は土で作れ」といわれるように、稲作にとって地力はなくてはならないものです。水稲の収量は地力に依存する割合が60%前後と大きく中でも土壌有機物の働きが大きくなっています。地力を高め、天候に左右されない健康な稲を作るためにも、冬の時期に有機物や土壌改良資材の施用を進めていきましょう。※地力とは  肥料成分を蓄える力+肥料養分を徐々に供給する力●土づくり対策【荒起こし】稲わらは貴重な有機質資材です。石灰窒素などの稲わら腐熟促進材を使用し、堆肥化しましょう。稲わらなどの分解には、温度・水・酸素・微生物(分解する土壌微生物は15℃以上の地温で活発になります。)が必要です。荒起こしは、土壌を乾燥させ、鋤きこまれた稲わらなどの腐熟促進を図るために重要で、収穫後の気温が温かいうちに行う方が効率的です。また、水はけの悪いほ場では、荒起こしが遅くなると気温が低くなり、少量の水でも土壌や稲わらが乾きにくくなる為、腐熟が遅れ、元肥の窒素を吸収するほか、有毒ガスを発生させ、翌春、田植え後の生育障害や根腐れの原因にもつながります。排水を心掛けて、排水溝(溝など)の整備も併せていきましょう。●有機物の施用有機物が不足してくると、土が硬くなって、容易に耕運できなくなります。有機物は、土壌の微生物を増やし、土壌を団粒化させる等、良い土壌をつくる大事な要素です。土づくり肥料と併せて稲わらなどをしっかり腐熟させ、有機物として最大限に利用することによって、地力が回復し、穂肥力も強くなります。●土づくり肥料について土づくり肥料は、健全な稲をつくるために必要な微量要素で構成されており、酸性土壌を中和するアルカリ性資材となっています。中性に近づけることで腐熟を促進させる効果も期待できます。砂質田や極端に水もちの悪い田では、けい酸だけでなく、鉄分やマンガンなどの微量要素や、腐植、石灰、苦土、加里などが流されて欠乏していますので、鉄分を含む資材を施用しましょう。それぞれの成分の特徴と効果を知っておきましょう。けい酸…水稲は好けい酸植物といわれ、一作で多量のけい酸を吸収します。けい酸は根の酸化力を増進し、病害虫や土壌還元に伴う各種阻害要因に対して抵抗性を高める効果があります。したがって、けい酸資材を施用することが望ましく、特に砂質土水田や秋落ち水田等でその効果が高くなります。生育の初期から成熟期まで多く吸収されて、稲の体を強くし根の活性化を高めます。また、いもち病やごま葉枯れ病、病害虫の侵入を防ぐ効果が期待でき、葉が直立して光合成が盛んになり、品質を良くします。鉄分…土壌のガスや酸素欠乏による障害から根を守ります。鉄分が欠乏すると、土壌に硫化水素が発生しやすく、根腐れの原因となり、生育停滞や秋落ち田の改善効果があります。石灰…根の発達に重要であり、土壌の酸性を中和するとともに、植物体内で生じた有機酸を分解し、健全な生育に役立ちます。苦土(マグネシウム)…葉緑素を構成し、登熟歩合の向上に効果があります。マンガン…秋落ちを防ぐ効果があり、ごま葉枯れ病の軽減に役立ちます。特にけい酸と鉄は、水稲を栽培するうえでとても重要になりますので不足しないように土づくり肥料で、補給しましょう。●水田土壌の改善作土は根が張りやすい15㎝程度の厚さが必要です。同じトラクターを毎年使うことで刃が届くところまでは耕されますがその下に硬い層(耕盤)ができることがあり、根の伸長や水の抜けを悪くします。時には深く壊し15㎝を維持します。作土が浅いと、根の伸長域がせまくなり、枯れ上がり、倒伏しやすい状態になり、収量、品質ともに影響があります。うね盛りと耕起と深耕をすることにより、土壌の排水を良くして稲わら等の有機物の分解を促進します。すき床層や根が発達する範囲では一定以上のち密度(硬さ)では発育不良につながるため、硬い場合は有機物を入れるなど対策が必要です。また湛水時の透水性は良すぎると肥料の抜けを助長し、悪いと土壌の酸素不足などによる悪化につながるため、1日に2〜3㎝水面が下がる程度が最適です。季節予報広島地方気象台季節予報より10月 天気は日数の周期で変わり、山陽では平年と同様に晴れの日が多いでしょう。気温は、平年並みまたは高い確率ともに40%です。11月 山陰では、期間の前半は、天気は日数の周期で変わるでしょう。期間の後半は、平年と同様に曇りや雨の日が多いでしょう。山陽では、天気は日数の周期で変わり、平年同様に晴れの日が多いでしょう。担当中川 安奈水 稲10月【全体運】新しいことを始めるなら協力者を探しましょう。コミュニケーションを取る過程で計画もブラッシュアップ【健康運】良好。スポーツは好成績が期待できます【幸運の食べ物】マツタケ今月の運勢 双子座5/21~6/214JAみはら 2021.10

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