JAみはら12月号345
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担当石川 祐介(広果連)柑 橘気象庁の長期予報では、この冬は西の地域ほど寒気の影響を受けやすく、西日本は気温が平年並みか低くなる見込みです。また気象庁は、今後「ラニーニャ現象」が発生する可能性が高いとして、12月以降は厳しい寒さのほか大雪になるおそれもあるとしています。最新の週間予報などにも十分注意して早めの対応や備えにつなげましょう。●温州みかん収穫前に全園地に腐敗防止剤を散布します。収穫が遅れると隔年結果の要因となりますので適期収穫に努めましょう。収穫時には腐敗果が混入しないように注意し、ハサミ傷に気を付けて果実を丁寧に扱いましょう。【収穫および選別】いしじ温州いしじは、果皮が黄色から紅になり、ヘタの色が緑から黄緑色に変わるころ収穫を始めましょう。収穫後は果実品質を高めるため、果皮がしんなりするまで1週間程度自然予措を行います。気温が高く、降水量が多い場合、着色が早い果実は、クラッキング(過熟によるヘタの周辺のひび割れ)に注意し、発生が見られた場合は収穫を急いでください。普通温州樹の中でも結果部位により熟度が異なるため分割での収穫が基本です。浮皮や果皮障害が進む前に収穫を行い、予借後に貯蔵管理します。【樹勢回復対策】夏季の高温乾燥やマルチやフィガロンの散布などの影響で樹勢が低下しています。早期に樹勢を回復させることが来隔年結果させない重要ポイントとなります。対策として、収穫が終了した樹に尿素200倍または元気一番1000倍を7~10日間隔で3回程度散布しましょう。【越冬病害虫防除】カイガラムシ類は幼虫や成虫が樹の幹や枝の割れ目や隙間、葉と葉の重なった部分で越冬し、ハダニは卵・幼虫・成虫が越冬します。これらの害虫は冬季に防除し、発生密度を低下させることで、翌年の発生を抑えることができます。発生が確認された園地は、収穫終了後、機械油乳剤30倍を散布します。なお、散布の際は、樹勢回復を目的に尿素200倍を混用しましょう。●中晩柑類【収 穫】品質内容を高めるために樹上で成熟させて収穫することが基本となります。しかし、園地の条件によって成熟する時期に幅があり、気象状況により収穫する時期が変わることがあるので注意してください。【果実の仕分け】収穫した後は、適正に貯蔵管理を行うために、果実の大きさや着色の良い果実と悪い果実と仕分けてください。【貯蔵管理】貯蔵庫が乾燥しすぎる場合は、通路に打ち水や濡れムシロを敷き湿度を保ちます。貯蔵庫の換気は、1日1回を基本に行います。また、貯蔵中は腐敗果の点検を行い腐敗果の発生を最小限に抑えてください。【病害虫防除】腐敗防止剤の散布貯蔵中の腐敗を防ぐため、収穫前に薬剤散布を行います。マデックの散布樹になるべく遅くまで成らせておくことで食味が向上しますが、品種によってはヘタ部が老化して果実が落果しやすくなります。ヘタ部の老化を遅らせ果実の落果を防ぐためマデックEW3,000倍を散布します。【越冬果実の防寒・防鳥】しらぬひ、清見など越冬果実は防寒・防鳥対策が必要です。温暖化傾向であっても寒波が来ると多大な被害を受けます。寒波が来てからでは手遅れになるので早い時期から行いましょう。防寒は、三重袋、サンテ、サニーセブンなどをそれぞれの園地条件、労力に合わせて行います。①外成り果は三重袋、内成り果はサンテ掛けとする。②樹全体をサニーセブンで被覆し、外成り果はスレ傷防止に袋掛けまたはサンテ掛けとする。防鳥対策資材の紹介(糸掛け器小太郎)かんきつの樹に糸をかけて、カラスやヒヨドリによる被害を軽減します。ミシン糸を使用していますので、手軽に扱うことができます。(商品についての詳細はお近くの営農センターまでお問い合わせください)【苗木の防寒対策(パスライト)】苗木は、低温や寒風により樹体の枯れこみや落葉などの被害が発生しやすいため、防寒対策を実施しましょう。クラッキングが進むとその部分の果皮が傷んで腐敗の原因となります。釣り竿のように伸びますパスライトで苗木の防寒対策8月の被害果収穫時12月ナシマルイガラムシの果実被害【全体運】気になることが多そうですが、次第に改善へと向かいます。考え過ぎは禁物。時が味方してくれるまで待って◎【健康運】無理をせずスローモードでの行動を心掛けて【幸運の食べ物】八つ頭今月の運勢 牡牛座4/20~5/205JAみはら 2021.12

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