JA佐伯中央レポート2020
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-29-(4)金融商品に関する注記1.金融商品の状況に関する事項(1) 金融商品に対する取組方針  当組合は農家組合員や地域から預かった貯金を原資に、農家組合員や地域内の企業や団体などへ貸付け、残った余裕金を広島県信用農業協同組合連合会へ預けているほか、国債や社債などの債券、投資信託等の有価証券による運用を行っています。(2) 金融商品の内容及びそのリスク  当組合が保有する金融資産は、主として当組合管内の組合員等に対する貸出金及び有価証券であり、貸出金は、組合員等の契約不履行によってもたらされる信用リスクに晒されています。  また、有価証券は、主に債券・投資信託であり、満期保有目的及び純投資目的(その他有価証券)で保有しています。これらは発行体の信用リスク、金利の変動リスク及び市場価格の変動リスクに晒されています。(3) 金融商品に係るリスク管理体制 ① 信用リスクの管理  当組合は、個別の重要案件又は大口案件については理事会において対応方針を決定しています。  また、通常の貸出取引については、本店に審査課を設置し各支店との連携を図りながら、与信審査を行っています。審査にあたっては、取引先のキャッシュ・フローなどにより償還能力の評価を行うとともに、担保評価基準など厳格な審査基準を設けて、与信判定を行っています。貸出取引において資産の健全性の維持・向上を図るため、資産の自己査定を厳正に行っています。不良債権については管理・回収方針を作成・実践し、資産の健全化に取り組んでいます。また、資産自己査定の結果、貸倒引当金については「資産の償却・引当基準」に基づき必要額を計上し、資産及び財務の健全化に努めています。 ② 市場リスクの管理  当組合では、金利リスク、価格変動リスクなどの市場性リスクを的確にコントロールすることにより、収益化及び財務の安定化を図っています。このため、財務の健全性維持と収益力強化とのバランスを重視したALMを基本に、資産・負債の金利感応度分析などを実施し、金融情勢の変化に機敏に対応できる柔軟な財務構造の構築に努めています。  とりわけ、有価証券運用については、市場動向や経済見通しなどの投資環境分析及び当組合の保有有価証券ポートフォリオの状況やALMなどを考慮し、理事会において運用方針を定めるとともに、経営層で構成するALM委員会を定期的に開催して、日常的な情報交換及び意思決定を行っています。  運用部門は、理事会で決定した運用方針及びALM委員会で決定された方針などに基づき、有価証券の売買やリスクヘッジを行っています。運用部門が行った取引についてはリスク管理部門が適切な執行を行っているかどうかチェックし定期的にリスク量の測定を行い経営層に報告しています。 市場リスクに係る定量的情報  当組合で保有している金融商品はすべてトレーディング目的以外の金融商品です。当組合において、主要なリスク変数である金利リスクの影響を受ける主たる金融商品は、預金、有価証券のうちその他有価証券に分類している債券、貸出金、貯金及び借入金です。  当組合では、これらの金融資産及び金融負債について、期末後1年程度の金利の合理的な予想変動幅を用いた経済価値の変動額を、金利の変動リスクの管理にあたっての定量的分析に利用しています。  金利以外のすべてのリスク変数が一定であると仮定し、当事業年度末現在、指標となる金利が0.25%上昇したものと想定した場合には、経済価値が104,070千円減少するものと把握しています。  当該変動額は、金利を除くリスク変数が一定の場合を前提としており、金利とその他のリスク変数の相関を考慮していません。  また、金利の合理的な予想変動幅を超える変動が生じた場合には、算定額を超える影響が生じる可能性があります。 ③ 資金調達に係る流動性リスクの管理  当組合では、資金繰りリスクについては、運用・調達について月次の資金計画を作成し、安定的な流動性の確保に努めています。また、市場流動性リスクについては、投資判断を行う上での重要な要素と位置付け、商品ごとに異なる流動性(換金性)を把握したうえで、運用方針などの策定の際に検討を行っています。(4) 金融商品の時価等に関する事項についての補足説明  金融商品の時価(時価に代わるものを含む)には、市場価格に基づく価額のほか、市場価格がない場合には合理的に算定された価額(これに準ずる価額を含む)が含まれています。当該価額の算定においては一定の前提条件等を採用しているため、異なる前提条件等によった場合、当該価額が異なることもあります。

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