miyoshi169L
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利用者に聞いた三江線の思い出漆うるし谷だに美み穂ほ子こさん(邑智郡美郷町在住) 三次駅で浜原行の列車の出発を待つ漆谷美穂子さんは、「三江線は、買い物や通院のためにずっと利用してきたので、なくなってしまうのは悲しい。三江線の建設当時は、自宅の納屋にも作業員の方が寝泊まりし、食事も出していた」と思い出を語ってくれました。 作木町出身の瀧野輝代志さんは、高校への通学のために三江線を利用。卒業後、昭和54年に旧国鉄に就職し、昭和62年に退職するまで、運転士として芸備線、福塩線、そして三江線で列車を走らせてきました。「当時は塾通いの子どもなど通勤通学の利用者も多かった。三江線の運転は、落石などに気分を遣うことも多かったが、他にはない素晴らしい景色を見ることができた。走っていて当たり前のように思っていたものがなくなるのは寂しい」と感慨深そうに話してくれました。 世代を超えて多くの人に親しまれてきた三江線。話を伺った方は皆さん、三江線の思い出を懐かしそうに、そして廃線を寂しそうに語ってくれました。運行が終了しても、車窓から見た景色や車内での出会いは、人々の記憶に刻まれ、これからもずっと心に残り続けます。 三次青陵高校への通学のために香淀駅から三江線を利用する上田季奈さんは、「4月からは代替バスを利用する予定。三江線の車内で、お年寄りとよく世間話をしたのが一番の思い出」と話してくれました。車で迎えに来ていた祖母の上田富子さんは、「昔は買物で市内に出るためによく三江線を利用したので、廃線になるのは涙が出るほど寂しい。孫と一緒に乗ったことがないのが残念」と振り返ってくれました。上うえ田だ富とみ子こさん(左)と孫の季き奈なさん(右)(安芸高田市高宮町在住)中国山地と江の川の合間を縫うように走る三江線は、四季折々に違った表情を見せ、車窓からは雄大な自然を満喫することができました。(撮影:山本直樹)三江線三次駅30.3.31問 秘書広報課秘書広報係 ☎0824-62-6396 0824-62-6223三江線の四季春夏秋冬瀧たき野の輝き代よ志しさん(三次市畠敷町在住)広報みよし 2018.4月号4

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