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全身が光沢のある瑠る璃り色の羽毛に覆われ、翼に水色の斑紋、足とくちばしが赤く「森の宝石」とも形容される夏鳥ブッポウソウ。毎年5月の初め頃に子育てのため日本へ帰ってきて、9月ごろ、南方へ去っていきます。ブッポウソウは、真夜中に「仏ぶっ法ぽう僧そう」と鳴くと信じられ、古くから霊鳥としてあがめられていました。平成26年には、三次市の鳥として指定されました。次世代につなぎたいいのちどのような保護活動を行っていますか?私たちは、作木町で活動していた鳥類研究者の飯いい田だ知とも彦ひこさんに協力する形で、平成18年から地域に巣箱をかけ始めました。ブッポウソウは自力で木に巣穴を開けることができないので、巣箱をかけることが重要です。現在は、作木町全域に掛けた巣箱の掛け替えや掃除などのメンテナンスを中心に行っています。こうした保護活動によって、三次市には全国500つがいのうち、半数以上の270つがい、作木町には全国の約4分の1にあたる、124つがいが生息しています。それは作木町の環境や早くから保護活動に取り組んだ成果だと思います。作木小学校の子どもたちはブッポウソウに親しんでくれており、毎年、子どもたちが巣箱を作ってくれています。研究発表で、広島県の科学賞をとったこともあります。子どもたちがブッポウソウをきっかけに、郷土の自然をはじめ、いろいろなことを学んでくれればと思います。活動を行うにあたっては、企業や地域の皆さんをはじめ、多くの方に協力いただいています。今後、さらに活動の輪を広げていくため、サポートをお願いできる人を養成する講座を計画しています。多くの方にかかわってもらい、作木町や三次市をPRすることで地域の振興に少しでもつなげていきたいと思います。三次市に残存する豊かな自然、とりわけ希少または貴重な野生動植物との共存を図り、私たちのより潤いのある心豊かな生活を築く基盤としていくため、平成30年3月に、三次市に生息する希少野生動植物を保護する条例を策定しました。ブッポウソウとダルマガエルをご存知ですか。この2種は、環境省の「レッドリスト2017」で「絶滅危惧IB類」(近い将来野生での絶滅の危険性が高いもの)に指定されています。三次市でも一時は絶滅の危機に瀕していましたが、地域の懸命な保護活動により、少しずつ生息数が増加しています。ブッポウソウ、ダルマガエルの保護活動を続ける人たちの取り組みや思いを紹介します。特集Ⅱ左から牧原さん、坂根さん、漆本さん作木小学校● ブッポウソウめんがめ倶楽部は、平成17年に発足し、地元資源を活用した地域おこしを行っている団体です。今回、めんがめ倶楽部の坂さか根ね憲のり昭あきさん、漆うるし本もと孝たか博ひろさん、牧まき原はら利とし浩ひろさんの3人に話を聞きました。広報みよし 2018.6月号6

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