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どのような保護活動を行っていますか?私が保護活動に携わるようになったのは、退職後、平成17年に「絶滅危惧種保護の会」を立ち上げたことがきっかけです。現在は、毎年の生息数調査や、安田小学校での講演や観察会を行っています。安田の水田環境がダルマガエルにとって良いのか、生息数は増えていますし、生息範囲も徐々に広がっています。「保護の会」発足当時は、安田地区で42匹しか確認できなかったものが、今では2000匹以上の生息を確認しています。生息に適した条件など、まだまだ分からないことがあり、調査のやりがいがあります。 条例に期待することは?三次市の自然はすばらしく、そこには貴重な動植物も数多く生息しています。条例の制定が、そのことを認識してもらい、自然に対するモラルについて考える良い機会になればいいですね。また、ブッポウソウについても、マナーを守って、大切に観察してもらいたいと思います。● ダルマガエル吉舎町安田地区を中心に、希少な野生動物や山野草の保護に取り組んでいる「絶滅危惧種保護の会」代表の福ふく場ば健けん二じさんにダルマガエルの保護活動について話を聞きました。生息数の調査は大変な作業で、稲刈りが終わった田に入らせてもらい、刈稲をかき分けながらゆっくりと進み、飛び出すカエルがダルマガエルであれば捕まえて数えます。安田小学校の子どもたちにも生息数調査に協力してもらったり、観察会を行ったりしています。平成20年には、子どもたちが全国の保護活動発表大会で(財)日本鳥類保護連盟会長賞を受賞しました。何かを研究して発表するということは、ものすごく学力が身につくものです。安田小学校は来年廃校になるので、さみしい気持ちになります。保護活動は大変ではありますが、やりがいもあります。活動を通じてでないと話すことがなかったであろう人たちと知り合うことができました。同じことに興味を持つ人たちと人間関係を築くことができたことや、まったく知らなかったことについての知識を得ることができたのは大きな財産だと思います。条例に期待することは?条例が制定されたことをきっかけに、自分が住んでいる地域にはこういう貴重な生物が昔から生息していることに興味を持ってもらいたいと思います。三次市の人にダルマガエルや保護活動について知ってもらい、がんばっているんだなと思ってもらえればうれしいです。興味をもって取り組めば、保護活動は特別しんどいものではありません。自分もやってみようと思ってくれる人が一人でも増えればと期待しています。ダルマガエルが鳴く田んぼの前で説明をする福場さん市では、希少野生動植物の保護活動を行う団体または個人を、三次市希少野生動植物保護活動団体等として登録し、活動に必要な情報の提供や助言などの支援を行います。登録については、①保護活動の実績(団体の設立年月日等)、②保護の対象、③年間の活動計画などを審査のうえで決定します。詳しい内容についてはお問い合わせください。問環境政策課環境政策係☎0824-62-6136 0824-62-6397安田小学校ずんぐりとして、四肢が短い体型をダルマに例えたのが名前の由来と言われているダルマガエル。動きもどこかのんびりとしており、ジャンプも上手ではありません。トノサマガエルと姿がよく似ていますが、日本の最西端の生息地である吉舎町のダルマガエルには、背中の中央にとおる1本の線がなく、黒い水玉模様はそれぞれくっついていないという違いがあります。広報みよし 2018.6月号7

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