miyoshi172L
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自分がつくる10年・20年後の未来を想像して夫婦二人三脚でワイン用ぶどう栽培に挑む「農業はしんどい、大変だ」という話をよく聞きます。確かに、自然の中での作業や、収穫が気象条件に左右されるなど、農業で生きていくことは簡単ではありません。そんな中、三次の地で、ぶどう農家になることを選んだ人がいます。農業を選んだからこそ、できること。さあ、農業をはじめよう!ぶどうの栽培を始めたきっかけを教えてください辰巳 祖⽗⺟の代から農家で、農業っていいなあという思いを持ちつつも、それだけでは⾷べていけないんだなあと感じていました。でも、後継者がいない… となったときに、何とか祖父母の残してくれた農地を守りたいと思ったことがきっかけです。就農するかどうか悩んでいた頃、⽊津⽥さんの「大丈夫なんとかなるさ、うちで働いてみれば」の一言で、この⼈についていけば何とかなると、それまで勤めていた会社を退職し、⽊津⽥さんの農園での研修をスタートしました。それから、子どもの参観日に参加できたり、送り迎えができたり、時間の自由がきくことも良かったです。辰巳 やりたい仕事ができて、良いことばっかりです! 土を作ったり、棚をたてたり、自分のほ場が少しずつできあがっていくことが、すごく嬉しいです。こんな風になればいいなーと、未来を想像しながら作業しています。木津田 お客さんとの信頼関係、必要としてもらえることがすごく嬉しいです。お客さんの希望に応えるようなぶどうを作っていきたいです。芝床 ぶどうの生産から販売まで一貫して行っているので、何か問題があっても、自分で対応を考えて、解決できることが楽しいです。あとはやった分だけ返ってくるところですかね。いろいろと知恵を絞ってやっていくことにやりがいを感じます。反対に、どんなことが大変でしたか?太田 ニュージーランドで栽培のお手伝いをしたことはあるんですが、棚も違うし、鳥獣害や、虫・病気など、不安だらけです。基本的に作業は一人で進めるので、ちょっと分からないことを聞きたいのに聞けないことがよくあります。また、ほ場の造成や棚など、かなりの額の投資をしているので、早く軌道にのせなければ… というプレッシャーもあります。時間の自由がきく反面、家の用事など太田 平成25年に三次に移住しましたが、その頃からぼんやりとぶどうを作りたいなあという思いはありました。車で走っていても、農地を見ると、ここでぶどうを作ればいいなーとか考えて。条件に合う土地が見つかった平成28年に認定新規就農者の認定を受けました。夫もとても協力的です!就農してよかったことは? ぶどうづくりの魅力はどんなところですか?太田 仕事として、土を触って自然に触れることがすごく好きです。太陽の日差しを感じたり、風が強い日は風にあたったり… と、すごく気持ちよく仕事をさせてもらっています。で思ったように作業が進められないことも多いです。家族も自分自身も、農業を中心とした生活に慣れるのにもう少し時間がかかりそうです。あと、農業簿記も意外と大変でした。辰巳 経営計画を立てたり、資金繰りを考えたりといった事務手続がしんどかったです。生活資金を稼ぎながら、ほ場での作業をしながら、事務作業もやりながら… と一日があっという間に過ぎていきます。就農したいと思っている方にアドバイスを太田 周囲の方とのコミュニケーションが大切だと思います。私自身、近所の皆さんから、たくさん元気をもらっています。おしゃべりの中で、色々な私たち、ぶどう農家になりました!~認定新規就農者が描く未来~塩町辰たつ巳み 勇ゆう壮そう さん廻神町太おお田た 寿とし子こ さん平成30年に三次市山家町の父のぶどう園地を継承し、就農。ピオーネ・クイーンニーナなどを36aで栽培中。今後も規模拡大を予定している。平成28年11月に就農。ワイン専用種のみを作付けし、新たなモデルケースをめざす。夫の直なお幸ゆきさんは、㈱広島三次ワイナリーで醸造長を務める。広報みよし 2018.7月号8

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