miyoshi175L
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共生社会の実現に向けて、障害者差別解消法が施行されました。今後、障害のある人とない人が実際に関わりあうことがもっと増えてくると思います。そこで今回から、障害のある人の社会参加を進めるための必要な配慮(合理的配慮)の事例を連載します。合理的配慮は、障害のある人から、社会生活を送るうえで「不都合を感じないよう工夫してほしい」と要望があった場合、過重な負担にならない範囲で必要な配慮をすることです。このことは単に障害のある方の「配慮」にとどまらず、社会全体の「社会的障壁」を取り除くことにつながります。ただし、障害は多様で程度も様々です。実際の場面では、掲載された事例を参考としながらも、柔軟な対応が必要な場合もあります。今月は、発達障害を考えてみましょう。発達障害は、脳の機能障害によって生じるもので、親の育て方や本人の努力不足ではありません。「社会性・コミュニケーションの障害」や「パターン化した行動やこだわりが強い」といった自閉症などの広汎性発達障害、集中できない、待つことが苦手で動き回る、多動や衝動性などの注意欠如多動性障害、「読む」「書く」「計算する」などの特定の能力に著しい困難がある学習障害などがあります。次回は、知的障害について考えます。問 社会福祉課障害者福祉係  ☎0824-65-2051 0824-62-6285  三次市障害者支援センター ☎0824-65-1131 0824-65-1132生活場面例困りごと対応例学校・教育文字の読み書きに時間がかかるため、授業中に黒板を最後まで書き写すことができない⇒①書き写す代わりに、デジタルカメラ、タブレット型端末などで、黒板を撮影できることにした ②担任がメモに書き、手元で見れるようにした ③まとめプリントにキーワードのみ書かせることにした担任が変わり、新担任とトラブルになり「学校へ行きたくない」というようになった⇒新旧の担任と校長、教頭またはコーディネーターなど複数で、本人の障害の特性や対応など保護者を交えて引継ぎをした仕事・雇用一度に多くのことを理解して仕事をすることが苦手である。また、急に違う仕事を頼まれてもできないことがある⇒「仕事の内容をひとつずつ簡潔に指示する」「複雑な指示内容はメモなどで伝える」など、部署内でその人の個性にあわせた業務指示をおこなうことにしたサービス(買い物・飲食店など)思いやり駐車場(障害者や難病、高齢、けが、妊娠など、車の乗降や歩行の困難な方のために設けられた駐車スペース)がいつも使えないことが多い⇒思いやり駐車場の趣旨のわかる、また、利用証のない方の駐車を遠慮してもらうようたて看板を設置した。また、県や市に思いやり駐車場を理解してもらう啓発、広報を依頼した買い物に行ったとき、商品の陳列を並び替えたり、好きな惣菜などを手に取るなどの行為があり、周りの目が気になり、行きづらさを感じる⇒むやみに触らないよう、視覚的に誰にでもわかるようなやわらかいタッチの文章や絵で張り紙をした災 害発達障害の子どもをつれて避難所にいくことに躊躇する。環境の変化により本人の状況が変わり、他の避難者に迷惑をかけるかもしれない⇒本人の特性を聞き、座布団やいすなどで居場所を設定したり、間仕切りを設置した。また、本人が一人残されないよう配慮した~合理的配慮の提供事例~広報みよし 2018.10月号11

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