神石高原8月号
10/22

私は、社会派コントグループ「ザ・ニュースペーパー」に所属し、東京を拠点に全国で活動しています。ですから、芸人として思いきった意見を書かせていただきます。私は、政治家に扮装してコント「神石高原町ってカッコイイ名前だな」数ある山村のなかからこの町を選んだ最初の理由は、その程度のことでした。実際に暮らしてみて思うのは、特別にすごい景勝地があるわけじゃないけど、噛めば噛むほど味が出る、味わい深い町だなあということです。例えば、秋祭りで奉納される神儀という踊り。地域の人が理屈ではなく本能に近い感じで伝統を誠実に守り、淡々と受け継いできたこの踊りはすばらしい。地域おこし協力隊として担当してきた油木地区小野地域は、天空の里と呼ばれる山上の里で、町でもトップ3に入る過疎地。でも、厳しい環境のなかで助け合って暮らしきたため団結力は強く、地域の歴史を大切にしています。一方で、大学生のフィールドワーク受け入れを機に若い人との交流や移住受け入れもスタート。そんな地域の人たちとすっかり家族とともに京都からやってきた私にとって、この町の魅力といえば、まずは豊かな自然。生き物が大きい!種類が多い!カエルの合唱、「ド・レ・ミ」と聞こえる鳥の声、漆れが都会ならイヤだなあと思うけど、なぜかここでは楽しめるから不思議です。薪割りをしたり囲炉裏に火をくべたり、野菜を育てたり…子どもたちも楽しみながら、暮らしや遊びの中でいろいろなことを学んでいます。「生きていく力を身につけたい」と思って黒の闇夜に響くフクロウの声…。都会では暑い・寒い、桜が咲いた…ぐらいしか感じられなかった四季の移ろいも、ここではめいっぱい肌で感じられます。借りている農家住宅はすきま風がすごくて、アリやムカデもやってきます。こいた私は、地元の人がイノシシをさばくのを見て、「私もやりたい!」と「わな猟狩猟免許状」を取得し、猟友会に入りました。狩猟免許はまだありませんが、多くの皆さんにご指導いただいて、皮をなめすことはできるようになりました。地元の皆さんにとっては当たり前の自然、当たり前の暮らしでも、私たちにとっては本当に魅力的。その魅力を、キャンプイベントなどを通して都会の人たちに発信し、若い世代の人の流れをつくっていきたいですね。わが町への応援メッセージをしていますので、本物の政治家の方々と仕事をする機会もあります。先日お会いしたある政治家は、過去に不祥事があったものの反省して復活した方でした。驚いたのは、その不祥事をネタにしたことです。周りが、変に気を遣っていたのに、隠さずにしゃべったことで聴衆の心をつかんでいました。あまり良い例ではなかったかもしれませんが「消滅可能性都市」であることを隠さないで、むしろアピールしませんか。しかも、広島で一番というのが価値があると思います。中途半端ではなく、広島一の田舎であることを思いきりPRして観光客を呼びましょう。逆転の発想で不便すら楽しんでもらいましょう。「さすが、消滅可能性一位だった」と。すると、町の魅力に気付き住みたいと思う人も現れるでしょう。現実味のないことを書きましたが、先日、古川の実家に帰った時、ふと、川の音、虫や鳥の鳴き声、風の音しか聞こえてこないことに気付きました。人工物の音がしない。自然の音のみ。これは、ぜいたくの極みです。神石高原町。誇るべき「何もない」が、ここにある。皆さま、がんばらずにがんばりましょう。■アピールしませんか    神石高原町観光大使    ザ・ニュースペーパー福 本 ヒ デさん地域おこし協力隊 三 枝 幸 樹さん地域おこし協力隊 小 埜 洋 平さん■都会にはないこの町の 魅力を発信したい■伝統を受け継ぎ、 助け合って暮らす姿に共感仲良くなり、今春結婚したばかりの僕と妻が若手では移住第一号になりました。この地で暮らしながら、地域活性化に貢献していきたいです。「挑戦のまち」を目指して10広報 神石高原 No.130広報 神石高原 No.130

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