私学新庄56号
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新庄学園同窓会の益々のご発展をお慶び申し上げます。また、続いて学園教育に深いご理解と暖かいご支援を賜り、心より感謝いたします。さて、この度は本校の生徒募集の状況と今後の展望について、同窓生の皆様にお伝えしたいと存じます。皆様もご承知の通り、旧大朝町地域をはじめ、北広島町及び周辺の地域の過疎化は、一層進行しております。それに加え全国的な問題である少子化の波は、本県にも押し寄せ、コロナ禍も相まって、生徒募集は困難を極めています。今年度の在籍生徒数は、定員の74%に留まっています。安定した学校経営のためには、少なくとも定員の85%の生徒数を確保する必要があり、現在大変厳しい状況にあります。広報担当の先生方を中心に、様々な工夫を凝らし広報に努めるとともに、本校教育の充実を図る努力を重ねておりますが、現状を維持するのが精一杯の状況です。そのような中、学校に隣接する北広島町所有の大朝グラウンドをサッカー協会等からの補助金も得て、全面人工芝化することとなりました。公式のサッカーコート2面分の広さを有すグラウンドであり、人工芝のサッカー場としては県内には稀な大規模なものです。このグラウンドの指定管理を北広島町から本校が請け、今後の運用を行っていきます。高速道路のインターチェンジからも近く、県内外から多くの団体の使用が見込まれるとともに、本校の体育の授業や学校行事、そして何よりもサッカー部の練習場所として、利用価値の高い施設となります。生徒募集にも資することを期待しているところです。さらに、9月からは、待ちに待った北広島町内に光通信によるインターネット環境が実現し、本校でもストレスなくICTを活用した学習を実施できるようになりました。こういった施設などの教育環境の充実と並行して、本校ならではの特色ある教育内容の創出も進めていかなければなりません。今後、その柱となるのが、学生寮の充実と情報教育の改革です。創立以来、本校の特色の一つである寮教育を一層確かなものとし、「新庄の寮に入れば、希望進路の実現ができる」と言われるぐらい、学習指導や生活指導を改善し、遠方からの生徒のニーズに応えるものにしていきたいと考えています。最近の学生寮は、個室を備えていることが当たり前になってきており、老朽化しつつある寮舎や食堂の改築なども併せて検討しなくてはなりません。また、情報教育の改革は、近年益々需要が高まっているDX人材や激しい変化に対応できる確かな情報リテラシーを身に付けた人材を世に送り出すために、早急に取り組む必要があります。中高一貫教育の強みを活かし、中学校の技術家庭科における情報分野と高校の教科「情報」を連動させたカリキュラムの開発に着手したところです。広島大学の教授など、専門家の指導を仰ぎ、大学入学共通テストに「情報」が新設されることも視野に入れつつ実施していきます。より深い学びを求める生徒には、部活動や探究活動として、高度な情報技術を学ぶ機会を与え、応用的な技術活用やプログラムの開発などを体験させていきます。私たちは、これからも、本校ならではの特色を発揮し、豊かな人間性と感性を備え、高い志を持った生徒を育ててまいります。また、教科学力の伸張を図るだけでなく、それを応用し活用する力、すなわち新しい価値を創造する力を育み、地元や日本はもとより、人類の持続可能な発展に寄与する人材の育成を目指します。同窓生の皆様におかれましては、引き続き新庄学園教育へのご理解を賜り、この学園から未来を変えることのできる人材を世に送り出すために、お力をお貸しいただきますようお願い申し上げます。 −寮教育と情報教育の充実−校 長 荒 木   学園の課題と展望33猛

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